冒険者の一幕・名士の陰謀

登場人物紹介


ベルド

エトリアという街の郊外に口を開ける「世界樹の迷宮」探索メンバーを率いていた、十七歳の若き冒険者。青緑色の髪と目を持ち、黙っていれば二枚目の端っこには引っかかる程度の容貌をしているものの、口元に浮かぶ締まりの無い笑みが評価を三割ほど引き下げている。何者にも縛られず、何事にも束縛されない、風のように自由な冒険者生活を送っているが、その裏で鍛えた厳しさ、容赦の無さも時折見え隠れすることがある。現在は世界樹の迷宮を離れ、ヒオリと二人で諸国を練り歩いている。

 

ヒオリ

アーティミッジという貴族から逃げ出してきた、かつて奴隷だった少女。生まれつき右目を失明しており、そのためにそこに捺されてしまった奴隷の焼印を隠すため、常に眼帯をかけている。人生の大半を奴隷という身分で過ごしていたため、外見は非常に貧相で、内面は天真爛漫でありながら恐ろしく情緒不安定な一面を持つ。奴隷であると知ってもなお、変わらずに手を差し伸べてくれたベルドに対して、強い好意とやや依存気味な感情を抱いており、そのことは長所にも短所にも働いている。ベルドのお嫁さん、甘えんぼさん。

 

アドル

冒険者パーティ「勇者のための四重唱」の事実上リーダーにして、パーティの頭脳。ベルドとは対称的に、物事を冷静に考えてから行動する参謀タイプの人間で、荒事は極力避けて平和的に解決する方法を望む。色々な意味で食えない性格でもあり、無駄に人を驚かせて喜んでいることもある。ちなみに、並の女の子を遥かに凌駕するほど可愛らしい容姿を持ち、そのためにしょっちゅう女と間違えられているが、心身ともにれっきとした男である。言うまでもなく女に間違えられることは嫌いなため、メンバーの中では既に禁句となっているが……

 

エド

アドルの幼馴染にして、すらりとした長身の男。基本的に沈着冷静な質であるが、アドルの危機となると声を荒げてしまうなど、強い友情も垣間見せる。黙って立っていれば二枚目で、ちょっとお堅い雰囲気があり、弓や体術、ナイフなどの技術を持ち、探索能力も非常に高く、さらには料理の腕前もあるなど、全般的に非常にレベルの高いイイ男。その気になれば恋人の一人や二人もできそうであるが、何故か浮いた話は出てこない。アドル曰く「熟女キラー」。ツッコミ役。

 

フェイス

カルーラ聖王国に所属する神官で、回復呪文が得意な少女。砂色の髪と琥珀色の瞳、ふわりとした柔らかい声を持っていて、誰に対しても丁寧な口調で話をする。外交能力はメンバー1で、料理能力もメンバー1。戦闘においては槍を使い、本人曰く嗜み程度の実力だそうだが、実際はどう見ても嗜みの域を超えている。なお、思考が斜め上へとすっ飛んでいる少女でもあり、アドルとエドの友情や、今回出会ったベルドとヒオリの愛情物語を妄想にして楽しんでいる。なお、BL路線に走らない辺りはまだ正常。

 

シリィ

「勇者のための四重唱」に所属する、がっちりとした大柄な女性。赤茶色の髪と青緑の瞳を持ち、杖を携える魔法使い。竹を割ったようなさっぱりとした性格で、媚を売るような甘さも、低レベルな男が持つような生臭さも持っていないため、男女問わず圧倒的な人気を誇り、「姐さん」と呼ばれて親しまれている。何故か老人と顔を合わせると感涙され、何故か老人から猛烈に愛される謎の一面もあるらしい。強力な魔法を使いこなすが、細かい制御は嫌いなのだとかなんだとか。

 

ルミーラ

アドルやベルドたちが依頼を受けた、この近辺からは少し離れたところにある領土を治める貴族の当主。アルミラ曰く暗殺者に狙われているらしく、今回の仕事は彼の護衛と暗殺者の特定・捕縛である。

 

アルミラ

ルミーラ・ジェイブリルの娘であり、街を歩けば振り返るほどの美人。三日ほど前から部屋に閉じこもってしまったが、父であるルミーラの暗殺を狙う者がいるとの噂を聞きつけ、腕利きの冒険者であるアドルとベルドのパーティに名指しで依頼を持ってくる。

 

ビーン

アルミラ・ジェイブリルの使いの者で、冒険者ギルドに依頼を持ってきた張本人。ぴっとした服装に身を包んだ、いかにも執事な男。ジェイブリル家に仕えて長いらしいが、元々ジェイブリル家があまり冒険者を使わないため、アドルたちともベルドたちとも顔を合わせたのは初だった。

 

 

 

 

 

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